―「なぜ競走部に入部したんですか?」
率直に言うと、最初から競走部に入ると決めていたわけではなく、サークルと迷っていました。
ただ、陸上競技をやるなら體育會に入って自分の行けるところまで突き詰めたい、
やるならレベルの高い人たちと切磋琢磨したいという思いがありました。
元々山縣さんに憧れていたこともあり、最終的に競走部を選びました。
―「幹部として競走部に対して持っているビジョン・目指したいことはありますか?」
2年生で主務系に入ってから1年半経ちました。今大事にしているのは『競走部全員で仲間の活躍を喜びたい』ということです。
競走部という100人を超える組織の中でも、関カレで慶應の選手が得点する瞬間は、ワーッと全員が盛り上がります。
あれは、何にも変えられないプライスレスな瞬間です。だからこそ、その感情を共有できる部員が1人でも増えてほしいと思っています。
選手として自分の競技力を磨くことは当然だけど、それだけでは感動を分かち合いにくい。
でも、自分が一生懸命練習を頑張っているからこそ、たとえ普段あまり話さない人でも応援の中で苦労や努力を汲み取ることができる。そういう風に感じてくれる人が1人でも増えたらいいと思ってやっています。
一部昇格の瞬間や普段一緒に練習している仲間が勝利したときの、努力を知っているからこその涙が出るくらい嬉しい感情をみんなで味わっていきたいですね。
―「競走部で大切にしている価値観はなんですか?」
『誰かのために頑張る』ということです。
入部した時は、陸上人生の最後、学生生活の最後である引退を見据えて、その時に自分が吹っ切れた形で終わりたいという思いがありました。
ですが、主務系に入ってサポートとも関わる中で、当初目指していた『競技面での結果』以外にも目を向けるようになりました。
それは、自分がその過程を進む中で周囲に与える影響です。
例えば、普段の練習でも手を抜いたら自分の結果に響くだけでなく、結果が出せないことで仲間に与えられる感動を奪うかもしれません。
色々な人と関わっていく中で、『自分のために』だけでなく、
『自分以外の人のため』にも頑張れるようになりました。