―「“體育會(部活)として”陸上と向き合い続けていられる原動力は何ですか?」
體育會(部活)として競技をしていく自覚・原動力は入部当初は正直ありませんでした。
変わるきっかけとなったのが一年次で経験した関東インカレです。
大会の重みもわからぬままマイルの2走を任されることになりました。
軽いノリで出場した初の関東インカレでしたが、特に一部の舞台での戦いだったので自分と周りのレベルの差を痛感しました。
結果、着順で決勝に進むことができませんでした。このギリギリでの敗退がとても悔しかったです。
これをきっかけとして、個人としてもチームとしても関カレで勝つという一点だけが自分の中での原動力になりました。
ー「中学から始めた陸上競技人生において挫折はありましたか?」
自分は何か気持ちの落ちる原因が起こっても引きずらないタイプなので、挫折と言う認識はあまりありません。
ただ唯一高校三年生のラストイヤーは今思えば競技人生の中で低迷していた時期だったと思います。
高校一年生の時はインターハイにも出場できませんでしたが、高校二年生の時に成長期と練習の強度がうまく合い、全国ユースに出場し6位という戦績を残すことができました。
この経験から、ラストイヤーインターハイで優勝することを目標に練習に取り組んでいましたが、調子が合わずに最後のインターハイは予選落ちに終わりました。
その時は競技に対して前向きな気持ちが持てなくなっていました。
ー「陸上競技をする中で、今大切にしている価値観を教えてください。」
自分で満足しないことです。
結果が出てもその上は必ずある。その常に更なる上を目指し続ける信念は競技をするうえで大事にしている価値観だと思います。
ー「幹部(副将)になろうと思った理由は何ですか?」
自分が幹部に在籍する意味は、トラック競技の代表だと思っています。
自分自身、リーダーシップに長けていたわけではありませんが、
フィールド競技の活躍が華々しい自分の代で400mを専門にする自分が幹部になることは、
競走部におけるトラック競技の尊厳を守ることにつながると思います。
短距離の先頭に立ち引っ張りたいという気持ちから、最終的には自らの意思で副将のポストに就くことを決めました。
ー「自分が幹部として率いる競走部の理想(目標)像について教えてください」
言語化すると薄い表現になってしまうが、“全員が同じ方向を見られるチーム”であるべきだと思っています。
自分たちの代は“自己実現”を目標に掲げているが、體育會という一つの組織で陸上競技に向き合っている以上全員が共通の目的を持つべきです。
“自己実現”は個人の多様性を認めるものでもありますが、全員の“自己実現”の先に組織としての一つの目標を置く必要があると思います
ー「幹部として取り組んでいること、取り組んでいきたいことは何ですか?」
他のブロックと密にコミュニケーションが取れていないのが現実であるが、部員間のモチベーション格差は問題視しています。
やる気が少し足りない部員に対して声をかけてもう一回頑張りなおす機会を与えられるようにすること、特に昨今のコロナ禍ではお互いの状況が把握しづらいからこそ、よりコミュニケーションを取ることを意識しています。
コンタクトをとってみると練習がうまくいっていなかったり、モチベーション管理に苦戦したりしている選手は多いことが分かりました。その際、練習のアドバイスや鼓舞するような声掛けを大事にすることで、コロナ禍が明けシーズンに入っていく中でみんながスタートラインに立てるような取り組みを行っています。
今後は、(具体的な)部の目標がどんどん立っていく中で、部員一人一人がその共通目標を忘れないような働きかけをしていきたいです。
ー「モチベーションの低い選手に対するアタックはどんな気持ちで臨んでいますか?」
確かに、モチベーションの低い選手への声掛けは大変です。
でも声をかけない方がゆくゆくはより大変な状況になってしまいます。
声をかけず目にかけないことで、どんどん選手のモチベーションが落ち練習状況も悪くなれば、いつかは声をかけても手遅れの状態になってしまいます。
ならば、初めから目にかけてあげて少しでも変わってくれたら嬉しいですし、
変わらなくても自分自身にとっても相手にとっても全くの無意味だとは思わないので、それはそれでいいというメンタルでいます。
ー「最後に、今シーズンに向けて競技者として幹部としての目標を教えてください。」
まず、部の目標として自分が個人的に掲げたい目標は関東インカレで40点を獲得することです。
計算してみても絶対にいけない点数ではないと思っています。
そして、幹部の中の一個人としては、ブロック長に比べ具体的で明確な仕事が無い副将だからこそ、
競技力で部に示さなければいけないと思っているので、結果で見せることにはこだわっていきたいですね。
最後に、400mの一競技者としては、塾記録を更新すること、日本選手権の決勝に残ることが目標で、
短長ブロックとして全日本インカレマイル優勝も達成したいです。