―「慶應義塾體育会競走部に入部した理由は何ですか」
そもそも大会で上に行くことを意識し始めたのは中3の頃でした。
高1で結果を残すことができたのですが、高2の後半から高3の前半に留学があり、2年の新人と高3の総体に出場できませんでした。
ただ、帰国して8月に800mのベストがでたことで、大学でも続けてみようと言う気持ちになりました。
理工学部は忙しいと聞いていたので、體育会以外も考えました。
ですが、高校の先輩が競走部に入って速くなった姿を見たり、
体験に行った時に理工学部の先輩が多く在籍していたことで、再び體育会に思いが傾きました。
體育会=『忙しいや厳しい』というイメージとはいい意味でギャップがあったことで、懸念点が払拭され、入部を決意しました。
―「幹部として大事にしていることは何ですか」
競走部では、色々なバックグラウンドを持った人が入部してきます。
その『多様性』が活かされる環境を作っていきたいと思っています。
各個人の競技者として『速くなりたい』という気持ちは皆持っています。
幹部としてそこに介入する気はありません。
それよりも私は、『速くなりたい』『チームとして強くなりたい』という気持ちを最大限サポートするし、
目標達成の邪魔になる慣習は取り除いていきたいと思っています。
―「競技をする上で大事にしている価値観はなんですか」
『気付きを共有する』ということです。
自分が努力する、しないでモチベーションに作用すると言うよりは、自分が目標に向けてもがく中で気づいたことが、誰かの役に立つことがあります。
その『気づき』をなるべく多くの人たちから収集ができれば、という思いがあります。
私は、個人競技の陸上を、チームでやる意義は『気付きの共有』だと思っています。この気付きは仲間との間だけではありません。
過去の自分との対話においても得ることができます。
過去の自分の取り組み、その中で気づいたことを忘れず、未来に生かせるといいですね。
陸上は目標までの道のりが一直線ではないので変なところに行ったり引き返したりすることがあります。
ですが、その道のりを覚えておけば、自分や他人の役に立つことがあると思います。