慶應義塾體育会競走部に入部した経緯について

なぜ『慶應義塾體育会競走部』に入ったのでしょうか?

高校3年時のインターハイ路線で悔しい思いをし、大学で箱根駅伝に出場することでリベンジを果たしたいと考えたことが大きな理由です。

また、慶應のAO入試によって受験によるブランクを短期間に抑えることができたことも理由の一つです。

結果、高校3年生の7月に引退して、9月にAO入試に合格し、ブランクは二ヶ月に抑えることができました。

具体的に箱根駅伝を目指したいと考え始めたのはいつ頃ですか?

高校3年生のインターハイ路線で敗退したときです。

高校2年生の時に東京都新人大会で優勝することができたのですが、高3時は決勝で敗れてしまいました。

このままでは終われないと感じ、大学での競技継続を決意しました。

他大学ではなく、慶應で箱根駅伝を目指そうと考えた理由について教えてください

箱根駅伝に出る以外にも魅力的な点が多くあったからです。

大学を出た後も三田会というコミュニティがあったり、卒業後も活躍している人が多くいます。

陸上で人生を終わらせる気はなかったので、ここも非常に大切にしています。

幹部として、目指す『競走部像』と、その取り組みについて

幹部として、目指す『競走部像』についてお聞かせください

理想のチーム像は、幹部が描いている理想像が末端の選手まで共有できていることだと考えています。

わかりやすく言うと、みんなの目標が一つに定まっていること

もっとわかりやすく言うと、自分の目標に向かって全選手が真っ直ぐに努力している状態です。

「その理想のチーム像を完成させるために、杉浦さんはどのような取り組みをしていますか?」

幹部としての取り組みとしては大きく三つあります。

一つ目は、自分は長距離のブロック長であるからには、まず長距離ブロックのマネジメントをしています。

具体的には、分業制度やミーティングを開くことで、みんなの帰属意識を高めたり、目標をクリアにさせる作業をしています。

二つ目は、個人的にですが、サポートブロックにコミットしています。

私たち三年生の代はサポートブロックがいません。

その分の穴を埋めることももちろんですが、サポートブロックから選手を引っ張って行ける体制づくりをしたいと考えています。

マネージャーやトレーナーの仕事ぶりは決して関東インカレ1部最下位のチームのレベルではありません。

三つ目は、幹部として、他ブロックとのコミュニケーションをより活発に取りたいと思っています。

せっかく競走部として活動している以上、足を引っ張り合うのではなく、

お互いに上に引っ張り上げるようなブロック間の繋がりを生むために、他ブロックのメンバーと会話をすることを意識しています。

競技をする上での価値観について

「競技をする上で大切にしている価値観はなんですか?」

目標を達成することです。目標を達成しなければ競技をしている意味がないと思っています。

「その価値観は昔から持ち続けていましたか?」

この価値観を持ったのは大学に入ってからです。

実は、陸上が楽しかったからやっていたのは中学三年生までなのです。

今ももちろん楽しくて、1日のうちで一番楽しいのは、陸上をやっている時間なのですが、『楽しい』の種類が違います。

中学生までは、単純にゲームをしている感覚で、できることが増えていって成長が感じられて楽しかったです。

高校の三年間は、『部活』として楽しみました。

高校の校風として、勉強、課外活動、部活の三つ全てを頑張ることがいいこととされていたので、部活も頑張っていました。

ここでは結果よりも過程が評価されていました。従って、大学の『結果主義』にはカルチャーショックを受けました。

「大学の『結果主義』に衝撃を受けて、ご自身も結果主義になったのですか?」

結果がないと、何も目を向けてもらえないのです。

チームの『結果主義』が薄まったことが弱くなった原因の一つだと思っています。

私たちが一年生だった頃は関カレ至上主義で、関カレに出られない人は人権がなかったのです。

ケア等も、もちろん診てもらえますが、試合前は後回しで、力のない人間にはチャンスさえこない環境でした。

根岸さん(長距離ブロックOB)がそういう考えを持っていて、結果主義の考え方が大切なのだと感じました。

「その『結果主義』には納得していますか?」

納得しています。結局目立ちたいなら結果出せって話だと思いますし、目標をかなえることは結果を出すことと同じです。

例えば、5000mで15分を切ることが目標で體育会に入っても合いません。

體育会の結果主義の厳しいところは、高い目標じゃないと見ない、低い目標だったらいらないところです。

そのためにサークルがあるのです。社会に出たらもっと『結果主義』ですから。

結果主義でも、結果をどう見るかが大事で、『どうやったら結果を出せるか主義』になりたいと思っています。

結果にももちろんこだわります。ただ、この過程を踏めば結果が出るという過程を作ることにこだわりたいです。

求める結果を高めた上での過程を見ています。過程主義では、目標がどこにあるかわかりません。

高い結果を前提にし、そこに達しているかどうかで過程を見ます。結果主義者が過程を見ているようなものです。

どういう結果主義を取るかが大事だと考えています。