―「競走部に入部した理由を教えてください」
高校時代やり投げを行っていたのですが、あと39cmでインターハイに行けませんでした。
南関東8番で終わっちゃって...。
そのリベンジを大学で果たすためっていうのが一番の理由です。
そのため、入学式の次の日には練習に参加しました。
また、一つのことを死ぬ気で頑張る経験もしてみたかったんです。
中学時代、テニス部と陸上部を兼部していて、土日はクラブチームで野球みたいな生活で。
高校では陸上部にしか所属していなかったけど、留学に行っていた期間はあまり陸上をやらずに水泳とか野球とか、他のことをやっていて。
一つのことを死ぬ気で頑張るっていうのがこれまでの人生であまりありませんでした。
それを大学で経験したくて、そのためには、體育會競走部一択でした。
―「3年間過ごしてみて感じる慶大競走部の魅力はありますか?」
ありきたりですが、自由なところだと思います。指導者と選手の関係が一方通行な感じがありません。
先輩方と活発に意見交換をしたり、メニューを自分で決めてアドバイスをもらったりして、それらを取捨選択しながら「考えて」競技をするスタイルが魅力的だと思います。
―「幹部として目指す競走部像とご自身の取り組みについて教えてください」
一番は跳躍ブロック長として、跳躍の選手が活躍できる体制にすること。
伸び悩んで疎外感を感じる人がいないようにしたいと思っています。
本当に全員自己ベスト更新してほしいし、何らかの公式戦で1点取ってほしい。
指導者がいない分、自分が見て気付いたことを何でも言ってあげなきゃいけない。
あとは、向こうがアドバイスを求めるときの敷居を下げてあげるのも大事だと思っている。
1年のころはどうしても4年生の先輩に聞きにくいと思う人もいる。
なので、まずはこちらから気付いたことをどんどん言うようにしたり、「最近どう?」という会話を増やしたりするようにしている。
あとは自粛期間の取り組みとして、インスタの跳躍アカウントを作って、そこに動画を投稿できるようにしました。
そうすることで、普段日吉競技場で出来ていたコミュニケーションやアドバイスの交換が生まれるようになりました。
―「競走部で3年間過ごしてきて、自信の経験から改善したいと思ったことはありますか?」
強いて言うなら、まだ分からないことを分からないままにする人がいます。それは改善したいですね。
そのために、聞きやすい環境だったり雰囲気を作っていきたいと思っています。
香川で武者修行していて感じたことになりますが、強豪校には大学卒業後も陸上で食べていくために競技をしている人たちがたくさんいます。
その人たちの覚悟は本当にすごいです。その人たちの覚悟が組織全体に伝播することがあるが、それがうちの組織にはまだ足りない。
これは施策云々ではなく、自分が雰囲気を作って、一人でも多くの人に感じ取ってもらうしかありません。
―「陸上をチームでやる意味はどこにあると思いますか?」
競走部で一番求められるのは、試合で結果を出すことです。そのため、まずは自分の実力を高めることが必要です。
このために、いろいろな人とコミュニケーションをとり、知識を吸収する方が近道です。
後は、応援の力だと思います。でも、応援されるためには、組織の中での信頼関係が必要。
あの人が頑張っているから自分も頑張ろうとなれる。良い意味で刺激し合ったりできるのも組織でやる意味になる。
―「一部員として見てきた競走部と、幹部として見る競走部で違うところはありますか?」
まずは自分自身の責任感が変わったと思います。
今までは、自分の結果が出ないのは自己責任で良かったけれど、今は自分の考えたメニューで後輩の結果が出なかったら...と思うと、アドバイス一つをとっても考えるようになりました。
その分、結果に対する執着心が、部全体としてもっと必要だと感じるようになりました。
―「競技をする上で大切にしている価値観はなんですか?」
毎日自己ベスト、かな。
私の場合混成ですから、1日にいろいろな種目をやる中で、
どの種目でもいいので『昨日の自分より強くなっているように』ということを意識しています。
何らかの形で自分が昨日より成長したと思えるまでは練習をやめないように。
ただ、本当に何をやってもうまくいかない日は、腹筋をやりまくっています。笑