全日本インカレ2日前!~マネージャーから見た選手たち⑤〜

 

こんにちは、4年マネージャーの原田です。

全日本インカレ2日前となりました。

私たちサポートスタッフも、前々日入りの選手に合わせて本日京都に到着し、いよいよという気持ちが高まってきました。

 

さて、2日前となる本日は短長種目に出場する「マネージャーから見た選手たち」をお届けします。

マネージャーという立場ではありますが、本日紹介する4名の選手からは日々多くのことを学ばせてもらっています。

本日は4人の魅力が存分に伝わるマネブロになればと思います。

 

是非ご一読ください。

 

大谷尚文(短長・理工M2)

男子400m/男子4×400mR出場

    

 

競走部のレジェンド、大谷さん。

 

大谷さんが「最後の全日本インカレ」を迎えるということが感慨深過ぎて、正直どんなことを書き綴ったらいいのか、すごく頭を抱えております。

 

ですが、心からの感謝と激励の気持ちを込めて大谷さんを紹介させていただきます。

 

 

大谷さんは現在M2という学年を背負っていますが、実質7年生ですね。

私が入部した当初、4年生の代の短長ブロック長として、チームを引っ張っていたのが大谷さんでした。

 

思いがけない形ではありますが、この競走部での4年間を大谷さんとともに過ごせたこと、

そして最後の全日本インカレを一緒に迎えられるということが本当に幸せで仕方ありません。

 

 

これまでに見た大谷さんの走りには、心を動かされることが何度もありましたが、特に印象に残っているのが、2019年の全日本インカレ400m決勝での走りです。

 

「日本一」という目標を公言し、本気で取り組む姿を近くで見ていた中で、最後の直線、大谷さんが先頭に立った時に感じた興奮は今でも忘れられません。

ビデオを撮る手が震えた感覚は鮮明に覚えています。

 

最後、目標には届きませんでしたが、「全日本インカレ」という舞台を特別なものにかえてくれたのは、間違いなくあの時の大谷さんの走りがあったからです。

 

頂を目指して、本気になる姿は何にも代えがたいほどカッコいい。

だからこそ、少しでもたくさんの選手がこの舞台で輝く姿を見たい。

「慶應義塾大学」の名前をもっと上の場所に押し上げたい。

 

そんな純粋な思いをこの大会に注いできました。

 

 

あれから3年間、102代の同期の仲間が引退し、コロナ禍での活動を強いられ、大谷さん自身も思い通りに走れない、もどかしい時期が続いていたと思います。

 

「燃え尽きてしまった時期もある。」と仰っていましたが、

大谷さんはいつだって「誰よりも速く走ること」にこだわり、頂点だけを目指して努力してきた人であることを知っています。

 

その真っ直ぐな志が、たくさんの部員の心を奮い立たせてきました。

 

短長ブロック長としての役割を終えてからは、大谷さんに組織として与えられた役職はなかったはずですが、大谷尚文という選手がこのチームに与えてきた影響は計り知れません。

 

 

だからこそ、大谷さんの最後の全日本インカレを「一緒に戦いたい」と思う部員がたくさんいます。選手だけではなく、サポートも同じ気持ちです。

 

 

7年間の競走部生活で出会ってきた人皆が大谷さんのレースを応援しています。

だから、最後の最後まで、大谷さんらしく走り抜けてきてください。

 

気持ちだけでは勝てないけれど、「強い気持ち」があれば一つ上の景色が見られる。

日々の練習から一つ一つ階段を上り、この競走部で着実に強くなってきた大谷さんの集大成の走りを、この舞台で見せてきてください。

 

 

全力でサポートします。

 

柴田有仁(短長・理工M1)

男子400mH/男子4×400mR出場

   

「圧倒的、ポテンシャル」とでも言いたくなるような軽やかな走り、いつも惚れ惚れとしてみてしまいます。

 

柴田さん自身が一番感じていると思いますが、「ようやく」この舞台に立つことが出来ますね。

 

大学4年間は怪我に悩まされ、思うように練習が積めず、出したいときになかなか結果が出ない、そんな苦しい時期が長かったように思います。

 

それでも、何度怪我をしても、何度でも這い上がってきたその「強さ」は、決してポテンシャルの高さだけで補えるものではありません。

 

怪我に悩まされることが多かった分、自分の身体の声によく耳を傾け、限られた練習量の中で自分の強みを最大限伸ばし、一つ一つ積み上げてきたものの成果が今シーズンの飛躍に繋がっていると思います。

 

なにより、今シーズンの柴田さんはスタートラインに立つ際、とてもスッキリとした表情をしているのが印象的でした。

自分自身に対する期待と、レースを走る高揚感、冷静でありながらも、アツいものを秘めたそのまなざしに何度も引き込まれそうになりました。

 

普段、自分のことを多く語るタイプではありませんが、「もっともっと上を目指せる」と誰よりもその可能性を信じて、ワクワクしているのは柴田さん自身だと思っています。

 

先日、富士北麓で行われたレースの後には、レベルの高い試合の中で本来の力を出し切る難しさを話していましたが、全日本インカレの前にその経験をしたことは大きな収穫になっているはずです。

 

次はいよいよ全国の猛者たちと走る全日本インカレの舞台、あとは自分の走りをするだけです。

 

5年目にしてようやく掴んだそのチャンス、なにより楽しんで、堂々と走ってきてください。

豊田兼(短長・環境情報2)

男子400m/男子110mH/男子400mH出場

   

言わずもがな、この半年間の快進撃により「豊田兼」という名前が陸上界のホットワードになってしまい、マネブロで紹介させてもらうのも大変恐縮な思いです…。

 

ですが、話していると、とても可愛い後輩。

豊田が入学してから2年間、その成長をいつも楽しませてもらっています。

 

 

110mH、400mH、さらには400mでも好記録を叩き出した豊田ですが、近くでサポートしている身としては、記録以上に豊田自身の成長がとても嬉しく感じられた前半シーズンでした。

 

豊田が本気で世界を目指していることを知っているからこそ、その視線が少しずつ上に向いていく変化を肌で感じ、より楽しみな気持ちが増してきています。

 

 

少し前の話になりますが、豊田がまだ高校3年生の夏、東京選手権で初めて彼を目にした際、

 

「豊田は必ずオリンピックに出場する選手になる」

 

と高野さんが嬉しそうに話していたことをよく覚えています。

 

 

あの時から2年間、豊田が世界に羽ばたくための道を競走部でサポート出来たら、という思いで接してきましたが、周囲の想像を超えるスピードでその道を駆け上がっていく姿を見ていると、こちらが彼の視線に合わせるのに必死の毎日です。

 

それでも、豊田はいつだって「地に足をつけた挑戦者」

 

豊田兼のことは豊田自身が一番よく理解しているし、どんな時も自分の信念を持って、様々なことに挑戦していける。

 

周りの環境がいくら変化しようとも、自分の軸をブラすことなく、高みを目指してひたむきに競技に向き合う姿勢が、豊田の一番の強さだと思っています。

 

 

だから、全日本インカレは一つの通過点。

目の前のレースを、精一杯楽しんで。

 

スターティングブロックに足をかけ、真っ直ぐに前を見据えるその瞬間、

「トヨケンなら大丈夫」

いつもそう信じて応援しているよ。

 

キミナラデキル👍

鴨下友織菜(短長・環境情報1)

女子400m/女子4×400mR出場

   

妹のように可愛い後輩、かもしー!

本当にキュートなんです。とっても。

 

写真を撮ると何度もチェックしてくるところも、私服になると抜群に女の子らしく変身するところも、「ご飯行きましょう~」とニコニコ誘ってくれるところも。

全部が愛くるしくてたまりません。

 

初めて会った時から、物怖じせず人の懐に入っていく姿を見て、天性の愛されキャラだと確信すると同時に、素直で明るい性格を持ったこの選手は、きっと4年間でたくさんのことを吸収し、大きく成長していくんだろうと、なにか「光るもの」を見た気がしました。

 

それから数か月、かもしーを近くで見てきて思うのは、想像していた以上に「強い選手」だということ。そしてなにより、とても応援したくなる選手です。

 

どんなにきついメニューやハードな試合日程でも、自分なりに意味を見出し、ポジティブに捉え、覚悟を決めてスタートラインに立つ姿は本当にカッコいい。

 

その凛とした姿に、彼女の芯の強さをいつも感じています。

 

今シーズンはなかなか高校生の時の自分を超えられず、少しずつしか伸びないタイムに悔しさがこみ上げることも何度もあったと思います。

 

慶應女子ミドルのレベルの高さから、標準を切っている中でも800mに出場できないということで、今年は400mを走る機会が多くなりました。

 

それでも、中距離ブロックでありながら、短長のメンバーとともにスピード練習をこなし、高野さんからも多くのことを吸収している今の時期の経験は、鴨下にしかない強みに変わっています。

 

誰が言わずとも、彼女ならどんな状況も自分の成長に繋げられる強さを持っています。

 

私自身、4年生になり、こんなにも引退に後ろ髪を引かれる思いになっているのは、鴨下の存在が影響しています。

レース後、かもしーがとびきりの笑顔を見せてくれないと私は引退できません。

 

良い意味で、皆の期待を裏切るような走りをして、先輩を泣かしに来てください。

 

応援しているよ。

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いかがでしたでしょうか。

 

本日の紹介にはいませんでしたが、私の同期である4年生はもうすぐ最後の全日本インカレを迎えます。

「陸の王者、再興」というスローガンを掲げ、四六時中チームのことを考え、背負ったプレッシャーもたくさんある中で、常に全力で駆け抜けてきた仲間が、最後の大舞台に立ちます。

 

最後は、一人の競技者として、悔いのないレースをしてほしいと思っています。

そして、4年生にしかない「覚悟」を、慶應の「強さ」を証明する試合にしてくれることを願っています。

 

是非、温かい応援をよろしくお願いいたします。

 

明日は、3年マネージャーの桝田が、全日本インカレ前最後のマネブロを締めくくります。お楽しみに!