合格体験記ー梅沢龍輝ー
梅沢龍輝 総合政策学部2019年度入学
慶應を選んだ理由
私が慶應大学受験を決めたのは、高校三年時のインターハイ後でした。北関東大会後に慶應大学競走部から勧誘をいただきましたが、高校一年時より国立大学を志望していたため、その時は進路の選択肢には入りませんでした。しかし、実際に競走部の練習に参加させていただいた時、学生が自由な環境の中、高い主体性を持って自発的に練習に励んでいる競走部員の皆さんや、組織形態に感銘を受け、私も競走部の一員として競技がしたいと思うようになりました。万全の状態で臨んだインターハイでは準決勝敗退に終わってしまい、競技に対して悔しさと未練が残り、大学進学後でも本気で陸上競技に打ち込みたいと考えて受験を決定しました。
入試対策
受験形態はAO入試でした。AO入試は一次選考がWeb入力の書類審査で二次選考が面接となります。そして一期と二期、受験するチャンスが二回あります。書類審査では具体的に2000字の志望理由書と自由記述、学校の評定、保有資格などが総合的に評価され、一次選考を突破したら二次選考の面接に進むことができます。特に一次選考の志望理由書が重要になるので時間をかけて取り組みました。志望理由書作成で大切なことは、自分のバックグラウンドに基づき、SFCで何を学びたいか、それをどのように現代社会に影響、貢献させていくかを明確に表現することであると思います。私の場合、母親が中国出身でありましたので、幼少期から日中関係に関して意見を持っていました。私は日頃思っていたことを書き、自分が目指す社会を作るための過程、アイデアをSFCの学びの環境と結びつけて書きました。受験のために新たな知識、見解を身につけていくのではなく、どれだけ「自分らしさ」を表現できるかがカギだと思います。SFCでは幅広い分野を学ぶことができます。しかし、自分を見つめ直して何がやりたいのかを明確にしないと、選択肢が広すぎて何を勉強したらいいのかわからなくなってしまいます。もう一度自分と素直に対話して考えてみてください。
二次選考の面接では、志望理由書についてさらに詳しく聞かれます。大前提として、しっかり志望理由書の内容を論理的に理解していないと厳しいです。面接では質問に答えても、答えを否定されて再び質問されたりします。その時に対応できるかどうかは、自分の中でしっかり志望理由書について軸を持っていることが大切になってきます。面接の質問事項を暗記して各々の質問に対する答えを用意しておく、などの対策はお勧めできません。暗記するのももちろん大切ですが、面接本番でもしっかり自分の意見、SFCで学びたいという情熱を伝えなければなりません。そのための面接練習では、競走部の方にいただいたアドバイスを十分に活用しました。面接当日では、面接官に鋭い質問を何度も投げかけられましたが、練習の成果を発揮して落ち着いて受け応えることができました。
慶應競走部の魅力
競走部の最大の魅力は、選手一人一人が主体性を高く持って競技に取り組めるような環境があることです。指示待ち人間のように課されたメニューや課題をこなすだけでなく、自分の中で昇華して良い動きにつなげるために考えに考え抜いて練習できることが慶應競走部の最大の魅力であると感じています。もちろん、主体性が高い環境というのはメリットばかりではありません。自由な環境を飼い馴らさなければ、堕落していってしまう可能性も十分孕んでいます。自分を律して競技に真摯にならなければ慶應競走部の環境を生かすことができません。自ら高いレベルに近づこうとする意識があれば、その人にとっては最高の競技環境になると言えます。
受験生に向けてのメッセージ
慶應義塾大学のAO入試は数ある大学のAO入試の中でもトップクラスの難易度です。まずは受験に関する正しい情報を集めることが大切です。そのために自ら積極的に調べたり、競走部の先輩からのアドバイスを参考にしたりするものも良いかもしれません。自分のやりたいことは何か、SFCで学びたいという情熱を評価してくれます。思う存分、自分という人間をアピールしてください。AO対策はもちろん、勉強も欠かすことなくやった方がいいです。僕はAOが落ちたら一般受験の予定でしたし、勉強することは大学に入ってからも役立つことが多くあります。正しい情報を身につけ、自分と素直に対話して受験に臨んでください。頑張ってください。