合格体験記ー安倍立矩ー

　そして数学ですが、正直かなり難易度は高いと思います。標準の問題集に載っているような典型的な問題に見えない問題が多数出題される印象です。ただ、どれもひと工夫すれば、典型的な解放に落とし込めるものがほとんどですので、状況の整理、実験を行うなどして、一歩目うまく踏み出す能力を身につけることが必要です。また、穴埋めの問題は計算量がかなり多いので計算ミスのないよう細心の注意を払ってください。年によっては証明問題などの記述問題が出題されることもあるので、国公立大の赤本で学習するのも有効かもしれません。
　最後に英語ですが、基本的に単語の難易度が高いです。ですが、やみくもに単語を覚えるのは効率が悪いし、他の科目の勉強の妨げにもなってしまう恐れがあるので、お勧めしません。ここで重要になってくるのは、文章の前後でその単語の意味を予想する能力です。幸いそのような単語に限って直接設問で問われることは少ないです。大学側も単語の意味を完璧に理解していることを求めていないということです。わからない単語に出会った時は、焦らずに、前後の文脈から意味をくみ取り、最悪読み飛ばす勇気を持ちましょう。そして、慶應の長文は日本最高峰で長いです。文章を全部読んでから問題に取り掛かると前半の内容を忘れてしまっているなどのトラブルが起こりかねないので、問題文を覚えて文章を読むと良いと思います。また、理工学部ならではの専門用語も頻出します。入試直前でいいので、テーマ別の単語集で専門用語に触れておくとほかの受験生に差をつけられると思います。
　最後になりますが、慶應理工がなぜ難関といわれるのかについて話したいと思います。それは、受験生が戦うべき相手が慶應志望者ではなく、東大、東工大などの難関国公立大志望者だからです。ただし、国公立志望の人は記述問題の対策に時間をかけ私立対策に時間をかけていません。慶應に合格するためにはそのような仕組みを理解して、国公立受験者の弱点である知識問題、英語の長文で差をつけることが重要だと思います。