107代主将・主務対談 ~競走部107代が目指す姿~

 こんにちは!長距離マネージャー1年の上田と、全体マネージャー1年の赤石です。3/10(日)に開催された日本学生ハーフマラソン選手権にて長距離ブロックが本格的にシーズンインをし、今シーズン初の公式戦である六大学陸上も差し迫って参りました。

 「すゝめ~we   over  me~」というスローガンと共に始まった慶應競走部107代は、代替わりから現在までの間、この言葉とともに練習に励んでまいりました。そこで、107代主将の豊田兼さん(環境3・桐朋)と、主務の吉川昂希さん(総合3・湘南学園)に、対談をして頂きました!2人がラストイヤーに掛ける思いやチームの方針について聞かせて頂きましたので、是非最後までご覧ください!

 

 

Q1.まず、昨年10月から今までの間の活動を振り返ってみて、主将主務という立場になって以前と何か変わったことはありましたか?

 

豊田

 個人としては、主将・主務の立場に就任し責任感が芽生え、チームのことをよく考えるようになった。また前幹部、106代が残したものをどう継承するか、日々考えているかな。

 

吉川

 部員と話すときも、自分の一言の重みを意識するようになった。自分が考えていえることを部員に伝わるように、より意識するようになりました。

(対談の様子)

 

Q 組織を俯瞰する立場になったことで、競走部の見え方は何か変わりましたか?

 
吉川

 歴代先輩方がやってきたことの意味や考え方を理解できるようになった。それと幹部の中でも話しているけど、幹部の方針を100人以上の部員に伝えるのはとても難しいことを感じるようになった。主将主務になる前は意識しなかったけど、自分たちがやらなくてはいけないと思うところかな。

 

豊田

 上に立つことで見えなかったことが見えるようになって、それをどう伝えるかに苦戦していて、歴代の先輩方の苦労が分かるようになった。また今までは与えられた環境を享受する側だったけど、今はその環境を作る側になって、責任を感じるようになったかな。

 

Q 歴代の先輩が苦戦してきたという「伝える」ということに関して、今後お二人が具体的に起こしたいアクションはありますか?

 

吉川

 まずは言葉で。あとはマネブロとか形に残るもので想いを伝えることかな。競技場改修で直接部員と顔を合わせる機会が減り、それが少なからず影響していると思っている。また伝えるだけでなく、自分の思いが伝播して最終的に団結できたらいいなと思っているかな。

 

豊田

 歴代先輩を見てきてどうしても幹部と部員の間に障壁ができてしまうのが問題だと思う。そういうのをなくすためにも、全体集合の時に幹部内で話し合っていることなどをこまめに発信するようにしたい。改修工事期間中にみんなで集まる機会が少ない分、直接会った時に積極的にコミュニケーションをとって、自分の想いを伝えるのが必要かな。

 

 

Q2.107代のスローガンとして、「すゝめ~we   over  me~」を掲げていますが、今後どのようにこのスローガンを活用していきたいと考えていますか?107代の目標や現状について、主将主務の立場から教えて下さい。

 

吉川

 スローガンに関して豊田が「すすめ」を背負い、主務の身としては「we  over  me」を背負っていると思う。自分自身は結果を出すことができないし、泥臭く頑張っている姿もサポートをしていてはうまく伝えることができない。その中でもいかに自分の想いを伝えられるかがポイント。それは部員だけでなくOBOG様やコーチ陣、保護者の方々や地域の方々など競走部を応援してくれる人をどれだけ巻き込めるか、主務として大切にしていることかな。

 

豊田

 吉川の話にのっとると、主将として「すすめ」をより意識しているかな。主将の中で絶対にブレさせてはいけないのは結果を残すことだと思っている。背中で示すじゃないけど、来シーズン先陣を切って、点数を取りに行く、前に進むという意味での「すすめ」は主将としてやらなきゃいけないこと。また人に勧めるという意味での「すすめ」も常に意識している。競走部に所属はしているものの陸上へのモチベーションが低い人がいるのが現状。そういった人達に果たして陸上の良さを伝えられるのか。それをこなすには自分の強い信念が必要で、それを構築するためにも「すすめ」という言葉を活用している。「we  over  me」に関して。陸上競技は個人競技で個々が結果を残せればいいと思われがちだけど、ほんとはそうじゃなくて。公式戦で勝つためには団結が不可欠だから「we  over  me」を意識して競走部が一つにまとまっていくように活用したいかな。具体的にはマネブロとかで「○○のすすめ」みたいな。個人個人がスローガンにのっとって自分の勧めたいことを発信できるような機会を作るとか。そういうこともしていきたいかな。

 

吉川

 最終目標として107代目が終わるまでにみんなの中に競技力を向上させる、前に進めるという意味での「すすめ」、自分の確固たる軸をもって人に何かを勧めるという意味での「すすめ」もそうだし、「we   over  me」的な、みんなで団結して勝利をつかむ喜びとか。スローガンに込められた想いをできるだけ多くの部員に経験してほしいかな。それに準ずるように常にこのスローガンは頭に置いておいて、意識するようにしている。

 

豊田

 風化していくような言葉ではなく、常日頃、試合前も「すすめ」と口に出すことで自分を鼓舞できるような、活用しやすく誰にでも身近なワードになっているかな。

 

Q.今あった話の中で部員内のモチベーションの差に関することがありましたがそれを解消するために何か意識していることはありますか?

 

豊田

 選手として競走部に入ってきた以上、自分の競技力を上げて勝負に勝ちたいという思いは一緒であるはずだから、公式戦などチームの中で共通の目標を設定し、それに対して全員挑むということを大切にしているかな。

 

吉川  

 スローガンには107代で達成したいことだが、幹部内で究極目標として勝利と人間的成長が上がった。競走部に入ったからにはその二軸はぶらしてはいけないし、個々人でそれは異なるかもしれないけどそれも競走部の良さだから、それらを確立することを全部員にやってほしいかな。

 

 

Q3.お二人が、1人の人間として、選手として意識していることや成績に対する目標、目指している選手像、主務像などを教えて下さい。

 

豊田

 慶應に入学してきたときから4年後のパリオリンピックを見据えていたので、慶應競走部の自由で数多くの指導者の意見を聞ける環境を存分に生かそうと思っていました。僕にとってオリンピックは夢の舞台であると同時に、絶対に達成しなければならない現実目標でもあるんだよね。世界の舞台で戦うことを見据えて今までずっとコツコツと練習を積み上げてきて、大きい試合も小さい試合も、一つのステップだと思ってどんどんそれを乗り越えていく感覚とか、自分が着実にステップアップしている感覚とか、そういった日々の小さな部分を大切にしてきているかな。去年、ユニバーシアードっていう世界大会に初めて出場してみて、世界の大会と日本の大会って、こんなに雰囲気が違うんだって感じて。正直、世界を相手に戦うのがものすごく楽しくて、あんなわくわくする試合をもう一度体験したいっていうのが今の俺の中で一番強い思いなんだよね。やっぱり、オリンピックっていう目標をぶらさずやってきたことが、大学の競技生活の中で一番大きかったと思う。

(昨年度の関東インカレでの豊田)

吉川

 まず、1人の選手として、入部する前からずっと思っていたのは、100分の1秒までこだわる努力をするっていうこと。陸上競技って、100分の1秒で次のラウンドに行けるか、上の大会にいけるかどうかが変わってくる本当に繊細な競技で、自分自身も100分の1秒の悔しさを知っている。だからこそこの部分で泣きたくないし、勝つために細部までこだわる努力をすることをこの4年間の中で意識しているかな。あともう1点、1年生の時からすごく印象的だったことがあって、それは結果を出しているどの選手を見ていても、常に謙虚に競技と向き合っているということ。自分自身、謙虚な心は何をやるにしても大事なものになってくると思っているからこそ、ここは常に意識していきたいなと思うかな。

 主務像に関して、とても地味で事務的なことは沢山あるけれど、その仕事をこなすと同時に、自分はやはり公式戦での勝利にこだわりたいっていう思いがあって。皆で「やった、勝った!」みたいなそういう場面を、ラストイヤーで経験したいなっていう思いが強い。そのために自分に今何ができるのか、どんなに小さな事務作業であっても、1つ1つ、勝利へどこかで繋がっているって、そんな思いを持って日々みんなと一緒に活動していくことが大事かなって。それを意識できる主務であるかどうかっていうところを重視したいかな。

 

Q.慶應競走部の良さとして、自由なところが挙げられると思うのですが、その環境は良い面もありつつ、使い方によっては悪い面もあると思います。このような環境の中で、自分を鼓舞したり、モチベーションを維持したりするために工夫していることはありますか?

 

豊田

 そこに関しては、さっきのスローガンの話にも関わってくると思っているけど、やっぱり「自由」って、なんでもできる!って勘違いして、自分の好きなように過ごしてしまう人がいる。個々がそれをやってしまうと、チームとして強くはなれない。そんな中でも、やっぱり各々の陸上に対する思いや、何かしらの軸があれば、自然とそれがモチベーションになって、競技結果にも良い影響を及ぼして、チーム全体としても強くなるっていうのが、俺の中でイメージしているモデルなんだよね。

 

吉川

 僕自身、正直1年生の時は競走部の環境を使いこなせていないっていうもどかしさがあったんだけど、2年生になると、同期に環境を使いこなせている子も出てきて。そういうライバルを意識することが自分にとって大事なことなのだと思っている。これでいいや、ではなくて、彼がここまでやっているから、俺はそれを超えてここまで、みたいな、そういう使い方が正しいのかなって。自分自身もすごく、フィールドは変わったとはいえ常にそういう意識はあるかなって。自由な環境だから何でもできる、っていうところに甘んじるのではなくて、周りからの刺激をしっかり感じること。その上で、お互い高め合っていこう意識があるから、自由な環境が活きるというか。

 

豊田

 自分の目指すべき姿をちゃんと明確にした上で他者と比較するっていう、いわゆる「横型思考」っていうワードがあって、他者と比較して自分の現在地を把握するのにそれは結構適しているのかなって思っているんだ。自分が今どこに位置していて、人と比較して、今の現在地から理想の自分までどう持っていくかって考えて自分に落とし込んで、っていう。そこにこの環境を使うのが大事かなって思う。

 

吉川

 自分は主務という立場になってから色々なことを俯瞰的に見るようになって、自分の目指すべき姿と、そこに向かうためにいっぱい仲間がいて、自分が色々考えながら積み上げて何かを掴めるっていうところに、より魅力がある。誰かから教わることではなくて、周りのあるものを活かして取捨選択をしながら積み上げていった先に、何かを掴めるかもれない希望があるっていう。これは慶應の競走部の環境だからこそできることなのかなって思う。それを考えるとワクワクする感じがあるなっていうのを日々すごく感じているかな。

 

Q4.今後競走部をどのようなチームにしていきたいですか?理想のチーム像と公式戦での具体的な目標を教えて下さい。

 

豊田

 107代って、おそらく競技力としてはかなり高いし、結果を残せる代なのかなって思っていて、それゆえに、去年頻繁に使われていた強くて良いチームというワードを107代で引継ぎつつ、試合でもしっかり結果を残して、107代ならではの色を出しながらやっていきたいと思ってる。107代が強い代だと自負しているからこそ、その次の代以降にどう引き継いでいくのかを重視したい。下の代のことを考えて、今やっていることを107代だけで終わらせたくないと思って。関カレの目標を発表したんだけれど、その目標はおそらく僕らの実力ならばもっといけるかもしれない。去年関カレ男子1部50点っていう目標を長期的に掲げたっていうのを達也さんが仰っていたけれど、それを長期的な目で見て達成することを考えると、今年また50点を掲げるよりはここで少し下げて、目標を絶対達成することが大切だと思う。そんな経緯で、男子40点っていう目標を掲げました。僕は、目の前にある小さな目標を日々達成し続けて、皆それぞれが個人でもチームでも実践して、最終的には目標を達成するっていう、そんなチームにしたいなって思っています。

 

吉川

 公式戦の目標とか、チームとしてどうありたいかとか、兼が言ってくれた通りだと思う。僕には106代の幹部も務めていたからこそわかることがあって、107代はとにかく強さにこだわって、そのために何ができるかを常にみんなが考えてるんだよね。結果を残すためにできることをチーム全員が自分を持って考えられるかどうかが、ポイントだと思っているかな。だからこそサポートブロックにも沢山入ってもらって、一緒に部活を運営していきたいっていう思いもある。それこそ、今兼が言ってくれた通り、1つ1つ目標をクリアしていった先にしか大きな目標の達成は待っていないかなって思っているから。一旦この前半のシーズンが終わると早慶戦や対抗戦、全カレとか、そういう大きい大会が待っているから、それを経てステップアップしていったチームで、また次のステージを目指して、ちゃんと最後まで成長し続けるチームでありたいって思う。

(集団応援の様子、競走部はONE TEAM!)

 

Q5.いつも競走部の活動を応援して下さっている方々や、體育會競走部への入部を希望してくれている後輩たちに向けて、それぞれメッセージをお願いします!

 

豊田

 日頃から僕たちのことを応援し、支えて下さっている皆様、いつも本当にありがとうございます。僕たちの置かれている環境は非常に恵まれていて、競技場の改修工事中でありながらも慶應内の他の団体のものを使わせて頂いたり、日吉を歩いていると、いつも応援しているよ、って声を掛けてくれたり、色んなところで色んな人に支えられていることを実感しています。更には、沢山のスタッフの方々からご指導も頂けて、そういった人達のご協力なしには競技に集中できる環境は成立しえないと心の底から感じています。そこに対して僕たちができることは、やはり結果で恩返しをすることだと思っているので、その覚悟を持って日々練習に取り組んでいきたいと思っています。

 これから入部を考えてくれる子たちへ、志を持った皆さんとこの自由な環境の中で共に陸上競技に取り組んで高め合いたいと思っています。僕が高校生の時を振り返ると、当時は慶應に対する漠然とした憧れがあって、実際に入部した後も、やっぱり慶應の環境がどこよりもいいなってすごく思うし、この場所でなければおそらくここまで記録も伸ばせていなかったと思う。自分が掲げる理想像に一番近づきやすい場所だから、是非、入部を検討してみて欲しいと思います!たくさんの後輩たちに、足を運んでもらいたいと思います!絶対に後悔させません!皆さんにお会いできることを心より楽しみにしています!

 

吉川

 まずは日頃から慶應競走部を応援してくれている皆様、本当にいつもありがとうございます。慶應のファンでいて下さっている皆様には、やはり競技成績でお返ししたいっていうのが一番強く思っていることです。そして一番お伝えしたいことがあります。僕たちが良い結果を必ず出すので、是非会場まで実際に足を運んで見に来てください。良い報告としてお知らせするだけでなく、勝利の喜びを、一緒の時間一緒の場所で共有したいと僕は思っているからです。慶應グッズを身にまとって応援して頂けたら競技中に更に励みになります!また、皆様に直接お会いして、試合成績と日頃の感謝の言葉ときちんとお伝えしたいなと思っております。引き続きご声援を頂けたら幸いです。よろしくお願いします!

 高校生の皆さん、僕はどの大学の陸上部で過ごす4年間よりも、慶應の競走部で過ごす4年間が一番濃くて良いに時間になるって自信を持って言えます。自ら考えて自分の力を培っていける上に、横を見れば同じ志を持った仲間がたくさんいる環境っていうのはここにしかないって思っています。たくさん努力する過程で成長できるので、高みを目指せる場所の門戸をたたいてみたいって思う方は是非競走部に入って頂き、一緒に上を目指していきたいです。自分自身も、最初は右も左も分からないような状態で競走部に入ったときはまさか主務になるなんて思ってもいませんでした。実際に入部してこのメンバーで一緒に活動していく中で、全く想像していなかったような景色が見られるので、是非一緒に頑張りましょう!沢山の方々の入部、心よりお持ちしています!

(笑顔の主将・主務!)

 

 

 いかがでしたでしょうか。チームを引っ張っていく2人の熱い思いと覚悟をお伝え出来たのではないでしょうか?

 2人の対談の内容にもありましたが、私たちは、チーム目標達成を目指して、一丸となって戦ってまいります。今後とも、慶應競走部へのご支援ご声援のほど、よろしくお願いいたします!!