合格体験記ー白銀克隆ー

白銀克隆 理工学部管理工学科2020年度入学

プロフィール

学部学年:理工学部管理工学科

出身校: 広島学院高等学校

所属ブロック:短長

高校時自己ベスト: 400m:49"01

入試形態: 一般入試

     

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慶應を選んだ理由

 こんにちは。短長ブロックの白銀です。慶應義塾大学理工学部には1年間の浪人生活を経て入部しました。 慶應義塾大学には知っていると思いますがOBに広島出身の100m日本記録保持者の山縣亮太選手がいます。身近な広島の修道高校から進学されておりそのことで慶應競走部には興味がありました。また自分の母校には慶應義塾大学理工学部の指定校推薦の枠があり魅力的でした。
 しかし中高私立に通っており大学も私立に通うことに気が引けたこと、慶應に入学したら陸上をしたくなるだろうが果たして慶應競走部で自分が活躍できるだろうか。このことが気になり指定校推薦を取ろうか迷っておりました。そこで高校総体路線でインターハイに勝ち進むことができたならばある程度活躍できるという自信になるだろうということで、もしインターハイに行くことができたならば指定校推薦を取る、行けなければ推薦をあきらめ陸上の才能がなかったと思い高校で陸上生活は終わり。祖父の母校である某国立大を目指し受験勉強に励もうと考えていました。
結果は地方ブロック大会決勝8位とあと少しで及ばず推薦をあきらめ陸上を引退し受験勉強に専念することにしました。
 現役時は前期に某国立大、中期に某公立大学を受けて落ちました。受かるとは思っていませんでしたが落ちた後の喪失感、絶望感は今でも覚えています。
そして過ごした予備校生活はつらかったです。勉強自体は楽しかったですが出来が点数化され、その得点率で周りの受験生と勝負しその得点で今後の人生が決まってしまうという受験の世界はシビアで残酷でした。
 いろいろありましたがあっという間に訪れた2回目のセンター試験。センターリサーチとこれまで受けてきた模試の結果を鑑みて自分のこれまで目指してきた某国立大学の合格が厳しいことがわかりました。出願期間ぎりぎりまでいろいろな人と相談し自分でよく考えた結果第一志望であった某国立大をあきらめ、受かる可能性の高い別の国立大工学部を受けることが現実的だと判断し出願しました。しかし併願校で受けた難しくて合格するのが厳しいであろうと思っていた慶應理工の合格が決まって、慶應へ行きたい気持ちが高まりました。
 あとから振り返ると大学で再びやらないと決めていたはずの陸上を本当はやりたいというモチベージョンがひそかに受験の原動力になっていたのでしょうか。慶應に受かったからには入学して憧れの慶應の競走部で陸上をしたい、そう思いました。親に慶應に行きたいが学費の面で申し訳ないという旨を伝えると学費は気にしなくていいと言ってくれて、いろいろ考えた結果受かった国立大の入学はせず、慶應に進学する決意を決めました。

入試対策

 まず過去問の研究です。自分は計画不足により慶應理工の受験の一週間前から過去問に取り掛かるということになってしまいました。その時思った今でも覚えている傾向・対策を挙げると
合格最低点→過去五年の平均大体56.57%か。(当時の記憶なので違っていたら申し訳ないです。)
数学→答えしか書かない穴埋め方式。過程を見ないのでやり方があっていても計算ミスをすれば0点。よって試験開始して大問5問を見渡して簡単な問題から着手して見直し多めに。計算過程や説明も見られないが自分の見直しのために丁寧に計算用紙に書いたほうがよさそう。
物理→ややくせのあるひねった問題。しかしよくみたら見たことある感じの問題。力学と電磁気で得点稼げそう。
化学→マイナーな有機・無機化学の知識がいるな。計算問題は面倒くさそうだったら捨ててよさそう。構造決定、高分子で稼いであとは部分部分点を稼ごう。
英語→難度の高い英単語が頻出。最後の単語埋める問題地味にできそうでできない。文章問題は時間かけるがある程度スピード感で解いていこう。会話のやりとりとか特殊な問題ばかりだなあ。

 僕は過去問を解いて即効性のある試験対策は英語と化学だと思い直前は暗記系に取り組んでいました。また合否は点数差のつく英語の不出来によるなと思いました。 僕の知る限り慶應に一般で合格している人は東京一工を第一志望として勉強していく過程で自然に慶應に合格する学力の基礎が身についているパターンが多いです。しかし慶應を第一志望として早期から対策を練ることで合格可能性を上げることができることは言うまでもありません。東京一工受かったけど慶應落ち、補欠の人も友達で知っています。

勉強方法  ここでは自分が過去に使っていた問題集とやった順を述べていきます。ここでは慶應理工の入試に必要な4教科について説明します。なお現役時は東進、浪人時は河合塾に通っていました。
・数学
[現役] 授業で概念理解→宿題(計算力や公式適用力鍛える)→青チャート(解法理解) →<演習>授業でオリジナル数学演習ⅠA・ⅡB/オリジナルスタンダード数学演習(数研出版) /数学ⅠA・ⅡB最高の演習160(東進ブックス) /チョイス新標準問題集数学Ⅲ(河合出版社)/確率(旺文社)/整数(旺文社)/センター対策・二次試験過去問
[浪人]やさしい理系数学(河合出版社)/新スタ演(東京出版) /河合塾テキスト/ 月刊大学への数学/二次試験過去問
・物理
[現役] 授業・物理のエッセンス(概念理解)→宿題(物理重要問題集(数研出版)) →東進の授業(ハイレベル物理)→名問の森(河合出版)・過去問・難系(ニュートンプレス)
[浪人]河合テキスト、二次試験過去問
・化学
[現役] 東進の授業(ハイレベル化学)で概念理解{鎌田の~の講義(旺文社)とほぼ同じ内容} →セミナー化学(第一学習社)→化学重要問題集(数研出版) →化学の新演習(三省堂)・二次試験過去問
[浪人]河合のテキスト・二次試験過去問
・英語
[現役] 学校の授業:長文を予習で演習してくる→授業で解説→音読・シャドーイング 英単語:システム英単語 文法:Vintage(いいずな書店) 長文:英語長文問題精講(旺文社) 精読:英文標準問題精講(旺文社)、英文解釈の透視図、過去問 和文英訳:よくばり英作文(駿台文庫)、ドラゴンイングリッシュ(駿台文庫)、過去問
[浪人]河合のテキスト /過去問

 ある程度有名な参考書を使って勉強していたので参考にしてみてください。ここで勉強するうえで大切にしてほしいことを3つ挙げます。
 1つ目はインプットをどれだけ正しく早く終わらせることができるか。受験は期限があるのでプランを立てて計画的にてきぱきやっていかないとなりませんがそれと同時に正しい概念で理解しないと後々の問題演習で躓いてしまいます。人間一度覚えた知識を修正するのは厳しいものです。数学はお互いの分野が連関しているので丁寧に行ってください。正弦定理証明できますか?微分の定義言えますか?区分求積法の原理説明できますか?sinx/x (x→0)=1証明できますか?などなど。
 ここでこのインプットの学習ですが入試が終わるまで何周も継続して行うことを勧めます。僕の場合物理だと例えば物理のエッセンスを高2のときから使っていますが浪人の入試が終わるまで利用していました。見たときに反射的にこの公式を使うのだというほどにまでやりこみます。このようにインプットする参考書は決めてから徹底的にやりこむことを勧めます。
 2つ目は問題演習に関してですが一問一問を大切に解くこと。解いた問題の近くに日付を書いてわからなかった問題はできるだけ期間が空かないうちにもう一度解くことをしてください。完璧に解けたら日付に丸、過程はあっているが計算ミスをした場合は三角、解けなかった場合は×を付けます。よほど頭のいい人でない限り大体の問題の一回目はほとんど丸を付けられないと思います。三角のついた問題は方針があっていたからよしとするのでなくどのような計算ミスをしたか分析してください。自分の計算ミスの癖があると思います。
先ほど述べましたが慶應理工の入試は答えのみ書きます。方針があっていても計算ミスをしていれば解けなかったも同然です。インプットの時と同様丸がつくまでやり直します。
インプットもアウトプットもそうですが、やると決めた参考書に飽き、ほかの参考書に移ってしまうとあまりいいことがない気がします。(現役時の僕です)実際浪人してから河合塾以外の参考書をあまり使っていないような気がします。問題をみて授業で受けたポイントを想起しながら問題を解けるか、わからなかったら講師に質問という流れで同じ問題を何回も解いていました。
 3つ目は満遍なく教科を勉強すること。僕は数学の得点の波が激しかったので英語と物理と化学で得点を安定させようと努めました。よく数物特化型ということを聞きますがもし受ける受験の年が数物ともに難化していたらどうでしょう。リスクが高すぎます。 よく英語と数学は高3に入る前に学習を一通り終えていないといけないといわれますがそれは真だと思います。高3で物化(生)を仕上げないといけないので早めに受験勉強に取り掛かるに越したことはありません。

慶應競走部の魅力

 慶應競走部には全国大会優勝しているレベルの選手から大学で陸上を始める選手までさまざまな選手が在籍しています。僕みたいにブランクのある選手も在籍してます。それは競技力だけでフィルターをかけた入部選考はしていないことを表しています。速くなりたい、成長したいという意志ある人が入部を許可されます。実際に競走部に所属している全員が成長したいという意思をもって練習しています。レベルの高い強い選手と一緒に練習できること、日本屈指の実力のあるコーチの指導を受けられること、手厚いマネージャー、トレーナーのサポート、駅から近いフィールド種目の練習施設も完備している競技場で練習できることで毎日刺激ある陸上生活を送れています。

受験生に向けてのメッセージ

 過去に何度も選択を迫られ結局浪人して慶應に進学しましたが現役で行けばよかったという後悔はしていませんし、周りの同期や先輩に恵まれていることもあり慶應に入学にしたことは最善だったと思っています。大学受験はとてもつらいですがそれを乗り越え合格した暁にはぜひ慶應競走部に入部することを検討いただければと思います。