第101代目幹部対談(足立・宮澤)  ~六大4日前~

こんにちは!
新4年マネージャーの村上です。

今回の幹部インタビューでは、女子統括の足立梨紗(短短・文新4)と跳躍ブロック長の宮澤英佑(法新4)に話を聞きました。
部員が大好きな二人の、真剣で真心に満ちた姿勢を感じ取っていただければと思います!

 

 

村上:今日は忙しい中ありがとう! まず、朝集合での選手紹介式でも話があったけど、改めて跳躍と女子の六大での目標を語ってください!
足立:他のマネブロもそうだけど、珍しい組み合わせの対談だよね。女子は春季オープンの結果を見て、まずは各校今年の女子のレベルの高さに驚いてます。特に早稲田が強い。そんな中でも覚悟を決めて、得点としては18点以上を目指しています。みんなの持つベストを尽くせればどの種目も勝てる相手だとは思うので。
村上:女子選手で特に期待してる人は?
足立:六大に限らず、今年注目したいのが4継(4x100mR)のアンカー井上(夏海・短短・商新2)です!
村上:最近確かにタイムが如実に上がってるし、走りもきれいになってきてるよね。
足立:そうなの。最近では練習で夏海に負けることもある。直属の後輩(足立と井上はともに希望ヶ丘高校出身)なだけに嬉しいし、彼女にはとってもとっても、とぉ~っても期待してます! 本当にフォームがすごくきれいになってて、今年かなり伸びてくると思う。
村上:跳躍の目標は?
宮澤:目標としては跳躍で35点をあげること。それ以上に、今回は一人ひとりに目標を大事にしてもらいたくて、選手には個別にぼくへ目標を連絡してほしいと思ってる。その上で一人でも多く個人目標を達成してくれれば。
村上:六大の、あるいは今シーズンの注目選手は?
宮澤:一番を決めるのは難しい。ブロック長として本当にみんなに期待してるけど、あえて言うなら義永(優樹・法新2)と川端(一輝・経新3)かな。川端は長い間怪我せずに練習を積めてきてるし、彼が目標にしてる十種競技の塾記録更新よりも正直上を目指せると思ってる。
村上:十種の塾記録かあ。ぜひ関カレで達成してほしいね。関カレで混成競技があると一日一日の濃さが全然違う。感動するよね。
足立:関カレが一気に面白くなるよね。
宮澤:二人には六大だけじゃなく、その先の多くの公式戦でも期待してます。川端はまさにゴリゴリ点取ってきてほしい。
村上:色々な公式戦で、やっぱり跳躍が要なんだよね。
宮澤:勝てない試合って結局跳躍が点を取れてない試合なんだよ。慶應の柱としての責任は重いけど、頑張らなければって。実力者も新入生として新たに迎えるし、大切に育てなきゃ。

村上:2人が幹部になってちょうど半年経とうとしてるのかな。幹部になって、やりがいを感じるとかの良かった点と、一方でのつらかった点は何かある?
宮澤:まずきつかった方から言うと、幹部になってから記録が出なくなった。全部を幹部職のせいにはもちろんできないけど、自分ははっきり言っていまの幹部の中では弱い方だから、そんな中で結果出さないとなっていう思いは常にある。やっぱり結果を伴ってた方が人もついてくるし。そんなプレッシャーで昨シーズン後半はかなりつらかった。
村上:プレッシャーがあること自体は悪いことばかりではないと思うけど、幹部っていうのを背負いすぎてマイナスにはたらいちゃった?
宮澤:プレッシャーで結果が出るときももちろんあるけど、去年はかなり焦ってた部分があって、次が最後のシーズンなのにっていうものすごい切迫感があったね。ブロック長としてどうなんだって思いとずっと戦ってた気がする。
村上:幹部で良かったなってところは?
宮澤:周りの人たちのありがたみを感じるところだね。さらにみんなが大好きになった。特にぼくは同期に助けられてるなって感じてて、堀井(亮太・跳躍・理新4)にもめっちゃお世話になってる。後輩にも真面目な子が多いから、しっかりついてきてくれることに感謝してます。
村上:統べる立場になってこその、支えられるありがたさだよね。
宮澤:そう。周りがしっかり動いてくれるし、気を遣うべきところはそうしてくれる。跳躍部員が、このブロックのことを考えていてくれてるんだなってことが嬉しいね。そして何より、部員の成長が嬉しいよね!
足立:めっちゃ分かる。
村上:わが子のようにね。
宮澤:義永がめっちゃ動き良くなってるとか、こいつはめっちゃいい子になってきてるとか。記録面でも精神面でも、特に後輩の成長が垣間見られると親のように嬉しいっす。
足立:パパ……!!
村上:足立はどうですか?
足立:苦労したところから話すね。本格的に女子がチームとして動き始めたのが今年だから、どうやったら上手く回っていくかなっていうのをものすごく考えた。私だけでチームを動かそうとしても上手くいかないことが多くて、やっぱり同期には助けを求めたね。私も仲間のありがたみを感じた。そういう意味では、苦労した点の中でありがたみを見つけたっていう感じだね。
村上:意外と表裏一体だったりするよね、そういうのって。純粋に幹部になって良かったところは?
足立:幹部にならないと見えない部のようすっていうのがやっぱりあって、それが見えてきたことかな。俯瞰して競走部を見られるっていうか。より部のことを理解したと思う。さらに、競走部の人たちがいい人って再認識した!
村上:足立自身の中で何か変化はあった?
足立:部員一人ひとりに寄り添おうって思えるようになったことかな。これまではどうしても自分が頑張って結果を出すだけって考えがちだったけど、いまはついてきてくれる人たちみんなで頑張って結果を出したいって心から思えてる。結局のところ親心なんだよね。
宮澤:後輩がとても愛おしいです。
足立:ほんとそれ。同期も後輩も、本当に愛おしい。ゆえに競走部大好き。
村上:女子は高野さんが「主体的で対話的で深い学び」をしろっていつもおっしゃってて、その言葉通り対話をすごく重視してるよね。
足立:「一人余さずHappy陸上」を私たちは掲げてて、陸上を楽しむっていうのが根底にあるんだよね。だから一人誰かが苦しそうな顔をしてたり悩んでたりするときはみんなで助けてあげようってなる。みんなが主体的に個々に関わって、自分の意見をぶつけるだとか、真剣に相手の言葉に耳を傾けるようにしてる。悩んでる一人のために全員が自分のことのように考えて、実行に移せるっていうのは女子チームの良いところだと思うよ。それは慶應に根付いた気風なのかもしれないけど。
村上:誰も見捨てないってことだよね。
足立:幹部になってから、みんなの感情の動きっていうのがより気になるようになってきた。
村上:足立が女子統括就任と同時に一つ上の、清水(友紀・短長OG)さんと竹内(爽香・短短OG)さんが抜けたわけじゃない? それで新たに女子をまとめる足立の不安だとかプレッシャーはかなり大きかったと思うんだよね。エースがいなくなったあとのチームを引っ張っていくっていうのはきつい部分もあっただろうけど、いまはどうですか?
足立:今もきついよ、正直。当時は不安だったもん! 超のところ赤文字ね。私が思う友紀さんと爽香さんのすごいところって、女子チームのマネジメントをこなした上で競技としての結果をきちんと残してることなんだよね。私が仮にマネジメントを上手くやったとしても、私が結果を出せなかったら結局意味がない。運営にだけ貢献して、自分のことには手が回らずに結果を残せないのはやっぱりいやだから。幹部になると記録が出ないっていうジンクスはあるけど、両方できての女子チームだと思うし、あの二人はそれができてた。
宮澤:うちらは両方が求められてるからね。結果も運営も。
足立:その求められてる声に応えたいっていうプレッシャーはすごいかな。

村上:半年後の引退までに、絶対成し遂げたいことはある?
足立:日本選手権の標準を切る!
村上:女子全体としては?
足立:女子チームにも時にはやっぱり問題とかもあって、それが真剣な意見のぶつけ合いでそれぞれの研鑽になれば良いんだけど、そうじゃないものもたまに見られるのね。そういったものを除いてから私は引退したい。まだ発足して間もない女子チームでかなり不安定な部分も多くあるから、一つでも体制を改善して後輩に託せたらなって。
宮澤:自分は関カレ入賞かな。それができたら関カレ終わった時点で引退してもいいくらい。
足立:それは絶対許さない!
宮澤:でもそれだけ関カレにはこだわってるかな。そのために4年間頑張ってきたし。
足立:切るんだ!
村上:標準を!
宮澤:あっという間だね、関カレだって。もう二ヶ月切ってるよ!
村上:跳躍としてのやっておきたいことは?
宮澤:個人的には公式戦ももちろん大事だけど、跳躍全員自己ベストってういのを一番成し遂げたい。例えば関カレでは、AOで入ってきた一部の選手に頑張ってもらうっていう風潮が変わってないわけじゃん。それから脱却するためにはどうしたら良いのかなっていうと、やっぱりボトムアップが必須だよね。全体としてのレベルが上がってくれば、いわゆる実力者の人たちも良い意味で肩の荷が降りるっていうかね。彼らには悪いプレッシャーもかかっちゃってると思うから。相乗効果も狙って、全員の記録を上げていきたいかな。
足立:本気でみんなに記録出してほしいって思えるから、やっぱり家族なんだよなあ。ファミリー色強いブロックだと思う、女子と跳躍は!
宮澤:そうそう! どっちも悪く言えば閉鎖的なのかもしれないけど、良く言えばものすごくまとまりのあるブロックだね。
村上:砂場や高跳びのピットとか、跳躍の活動場所って違う空気漂ってるよね。さながら別世界。本当に居心地が良い。
宮澤:それだけみんな仲良いからね。

 

村上:最後に女子部員と跳躍部員に何かメッセージを!
足立:え、君たちならやれる的な? まあしんどい冬を越えて、倒れそうになりながらも必死にもがいて手に入れた技術や速さが絶対あるから、それはこれからのシーズン生きてくると思う。みんな、あとは気持ちだけだから! 気持ちを大切に、楽しく走ってください!
村上:達観しきってますね足立さん!
足立:うん。とにかく楽しんで陸上をやってほしいかな。
宮澤:普段から言ってるけど、最初に何で陸上始めたかっていうと絶対楽しいからなんだよね。跳躍に向けては、本当にみんなが好きだということ。たくさんの積み上げてきた「好き」があって、それが跳躍らしさだと思うんだよね。まとまりがあるから、それぞれの自己ベストとかをみんなで喜べる。だからぼくはブロック長としてというよりは、最後まで「みんなで」頑張りたい。みんなにすごく期待してるし、自分も期待に応えたい。
村上:田島(直人・中距離ブロック長)もそうだけど、この二人は特に部員のことが好きな幹部だよね。
足立:田島、宮澤、足立はそうだね。
宮澤:思いついた、本当に最後!
村上:どうぞ!
宮澤:今期は三段跳とか走高跳とかが部内で拮抗してるんだよね。だからお互いが高め合っていけるし、お互いが好きだからこそ、負けたくないって思いも強い。そういう関係をこれからも大事にしながら、みんなで成長していきたいね。
村上:仲が良いからこそ、競争心やライバル心が生まれてくるんだね。
宮澤:跳躍が大好きです、何度も言うけど。
足立:今回の対談は愛部精神の強い二人がお送りしました!
村上:愛に溢れる対談をどうもありがとう!!

 

 

部員のことが好きで好きでたまらない、ハートフルな二人による対談をお届けしました。

 

ぼくはこの3年間、多くのマネブロを書いてきましたが、同期だけの対談は初めてでした。同期と改めて競走部について真剣に考える時間をもてたことに喜びを感じています。

 

今回の対談で言及があった通り、女子はいま「主体的で対話的で深い学び」を通した競技生活を実践しています。元来は文部科学省が新しい学習指導要領で謳っているこの視点。それをスポーツへと導入したことに、秀逸さを見出せそうです。
女子合宿では毎日のようにミーティングセッションやプレゼンが開催され、普段の練習でも高野コーチを囲んで意見を共有している女子チームをよく目にします。
女子の掲げる対話は、「無理に言わせる」ような作り上げたものではありません。捻出ではなく、自然と自分の意見を声に出したくなる環境。そういった触発や自然発話が無意識的になされているような環境であるとぼくは思っています。
これでいいということはないスポーツの世界、記録が上がる明確な答えなどない陸上の世界です。お互いの意見が真っ向食い違ったり、相手が何を言いたいのかわからないことももちろんあるといいます。それでもぼくは、分からないことや上手くいかないことを大切にできる空間が女子チームであるし、そうあってほしいとも感じています。大きな戦力が抜けてしまった不安は大きいものでしょうが、足立を中心に高学年の選手が対話を誘発し、他ブロックにまでそのパワフルな雰囲気を波及させているような、魅力的な女子チームです。

 

跳躍ブロックは、高跳び系、砂場系、棒高跳び系で活動場所が分かれているものの、空間的な距離を感じさせない一体感に包まれています。
ブロック長の宮澤は常に父親や兄貴分のような視座をもっていて、面倒見や協調性に富んだ人物です。真面目で向上心が強い分、悩んでしまいやすい性格であることも知っているので、今回の部員への告白(?)を含めた彼のビジョンを聞けて嬉しく思っています。
朝集合の挨拶などでたびたび、「『楽しいから』陸上を始めたその気持ちを忘れないでほしい」と宮澤は言ってきました。マネージャーとして日々練習を支えていく中で、「いまこの選手は果たして陸上を楽しめているだろうか」と部全体を見渡す立場から神経をとがらせます。ややもすると根っこにあるその純粋な気持ちを忘れてしまいがちな大学陸上にあって、原点としての楽しむ心を持っていたいという彼の言葉は多くの人が共感しているところでしょう。
跳躍ブロックには、子供のような眼をした選手が多くいるとぼくは思います。草っぱらを一心に駆け回る児童のような、キラキラとした眼で跳んだり、互いの跳躍を検分する姿。「記録出ると陸上が楽しい」側面はもちろんありますが、そのコミュニケーション自体が陸上の楽しさを何倍にもしている、そんな跳躍ブロックです。

 

六大学は4月7日(土)に開催されます。
全てのブロックが選手として関わる大会では、101代目最初の公式戦です。
当日はあいにくの雨・曇り予報ですが、ぜひ現地まで足を運んでいただき、あたたかい声援をお願いしたいと思います。
また、入部を少しでも検討している新入生の方もぜひお越しください!
今回はこの辺りで失礼いたします。
読んでいただきありがとうございました。

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