日本選手権特集:100m優勝、山縣亮太インタビュー

6/7~9の三日間において日本陸上競技選手権大会が東京の味の素スタジアムにて行われ、山縣亮太(総・3)が100mで10″11の記録で優勝しました!!
今年の8月にモスクワで行われます世界選手権の代表にも選ばれた彼に、シーズン前半を振り返りつつ現在の心境を話してもらいました。

Q.今シーズンの前半は六大学⇒織田記念⇒関東インカレと大きな試合に絞ってエントリーしてきました。それらの大会から、どのようなことを意識して日本選手権に臨みましたか?

A.昨年大きな怪我をしたのですが、それを経て記録に対する強いこだわりが生まれました。そのため六大学や織田記念では記録を狙って積極的に走ったのですが、その考えに反して自分の思い描くレースができませんでした。
そのことを踏まえて、日本選手権は記録に対するこだわりや、勝負といったことを全て捨てて、自分のレースに徹することのみを意識することにしたんです。世陸の代表とか、9秒台とか、色々意識しそうになったんですけど、まずは自分の走りだ、と。

Q.なるほど。そのようなスタイルで臨んだ日本選手権当日についてですが、やはり当日は緊張はしましたか?

A.オリンピックでもそうだったのですが、試合は予選が一番緊張しますね…。特に今シーズンまだ試したことのない意識で臨む試合だったので、どういう結果が出るかわからないという状況は不安でした。
実際に予選を走ってみるとA標準を切ることができましたし、うまく走ることはできたので、気持ちはだいぶ楽になりました。決勝では予選通りに走ればそれなりの結果が出るだろう、と自信にもなりましたね。

Q.今季はメディアでもよく桐生選手(洛南高・3)との関係を取り上げられますが、彼のことは意識していましたか?

A.やはり彼がいたからこそ、勝負や記録というものを意識することにつながりました。しかしながら今回は一回それを捨てて、彼のタイムとかは全く気にせずに思い切って自分の走りを貫こうと考えていましたね。

Q.日本選手権での走りについて伺いたいのですが、ズバリ、そのレース内容に満足はいっていますか?

A.自分の今できるベストの動きだったとは思います。予選から決勝にかけてのトータルのレース内容には満足しています。決勝はいいレース内容だった分、記録がついてこなかったのは残念です。でもそうやってやってるうちに記録はいつでも出ると思いますし、そう信じています。
記録の面では残念ですが、初めての意識で臨んだ試合が結果を伴ったということを素直に喜んで、切り替えていきたいと思います。ユニバ、世界陸上と進んでいくうちに、この意識を忘れずにやっていけばいずれ記録はついてくると思いますね。


日本選手権の表彰台にて

Q.本当に日本選手権はお疲れ様でした。では、これからはちょっと踏み込んだ話になりますが、今年一番9秒台に近いと思ったレースはどの試合でしたか?

A.日本選手権の決勝…ですかね。でも、織田記念の決勝を走ったときは「本当に今日は桐生君と一緒に9秒台が出るのではないか」という気がしましたね。
レースを走っていた時の本音を言うと、彼には間違いなく勝てないだろうと思いましたし、もし9秒が出るとしても彼が必ず自分の前にいるだろうとも思いました。織田記念の行われるエディオンスタジアムは実力よりも0.2位速くなってしまう競技場ですのでそう感じた…というのもあるんですが笑
日本選手権の決勝では、予選を経て自分自身記録が出るだろうと自信を持つことができましたし、力が入らないでリラックスして走れました。そういうのってレース中にわかるんですよね。自分のしたいレースでしたし、満足しています。

Q.9秒台を出すのに必要な問題点とかは、自分なりに見つかっているんですか?

A.ここが悪いとか、ここが良いとかじゃなくて、イメージを磨くことがそのまま記録の短縮につながるんじゃないかなと思います。特に今の走りの中で悪い点というのは見つかっていませんね。走りが洗練化されれば自ずと記録は出ると思いますよ。

Q.なるほど。世界陸上での9秒台…をつい気にしてしまいますが、まずはいいレースをできるように、と。
では、すこし話題はずれてしまいますが、山縣が今年になって競走部の中の自分をどういう風に捉えているかを教えてください。

A.自分はまず一選手として、点数をとってくる役目があり、それは自分ならば出来ることだと思います。ただ、もっと広い目で競走部における自分というものを見ると、自分しかおそらく体験してきていないことを人々に伝えていく役目があると考えています。オリンピックでの経験とか、ケガへのリスク回避の仕方とか、関東インカレでどのように点数をとるか等がそれに当たるんですけど、それを一言でまとめると、
強くなるためにどうやって様々な壁を乗り越えてきたのか、ということなんですよね。
結果というものにそれらの出来事をどうつなげてきたかをみんなに伝えることで、それを部活に還元していく役目があると思います。そして、それは強いチームを作るという広い役目の中では、必要なことなのではないでしょうか。まだ100点満点できているとは思いませんけど、去年よりは確実にできるようになっていますし、成長していると感じます。そういうことができていなかったら、怪我のリスクは今よりも確実にあったと思いますしね。

Q.今年はユニバーシアード、世界選手権と大学の枠を超え、JAPANの看板を背負って戦うことも増えますよね。JAPANにおける自分と、慶應競走部の中の自分と、何か大きな違いがあると思いますか?

A.「日本」の代表だとしても自分はあくまで個人ではなくて、チームの一員なんだという意識を持っています。その点では、競走部における自分の立ち位置と、なんの違いはないと思います。責任感を持ってやることとか、そういう点は変わらないですね。
競走部と日本代表では当然置かれている状況は違いますから、立ち振る舞いとかは多少違うかもしれません。でも、根底としての意識は変わらないと考えています。

Q. 今年はユニバや世界選手権などと世界に挑戦することが一層増えると思いますが、その中で「慶應の山縣」としてどのような立ち位置で戦っていきたいと思いますか?

A.世界では日本チームとして行動することになりますが、慶應の看板を背負っていることには変わりはありませんし、責任感を持って行動したいと思います。そしてそこで得た経験、極限状態での精神のコントロールも含めて学んだことを全てチームに還元していきたい。世界と戦うことによって見えてきたもの、レベルの高いところで肌で感じた感覚をチームで共有できるようにしていきたいと思っています。

驕ることなく、常に自分自身と戦い続けている山縣。今後は慶應としての活動に加え、日本を背負って戦うことも多いと思います。そんな中でも常にチームを考え、行動する彼の姿は一流のアスリートであることをひしひしと感じさせてくれました。
今後とも、山縣の活躍にご期待下さい!


日本選手権のトロフィーとメダルを手にする山縣(写真撮影は部室にて)

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